ソメイヨシノは「みな同じ遺伝子!」は本当?

河津桜が咲き終わる頃、一斉に咲き始めるのが「ソメイヨシノ」ですね。大きく広がる枝振り、ボリュームのある花房、綺麗な薄いピンク色。通るすがりにソメイヨシノが咲いていると、ついつい立ち止まって眺めてしまいます。

そのソメイヨシノですが、以前は全て同じDNAを持つと言われていました。

というのも、ソメイヨシノは種子では増えにくいのだそうです。桜は、自家受粉(同じ花、同じ品質の花どうしで受粉すること)せず、他の品種の花粉じゃないと受粉しないのです。これは、優秀な品種を残すための仕組みだと言われています。

普通、植物は花を咲かせると、蜂などの昆虫が花の蜜を吸いにやってきて、その体に花粉が付き、蜜を集めようとしてウロウロしている間に、体に付いた花粉が雌しべに付くことで受粉が行われます。これが自家受粉ですね。

受粉が行われると、種子ができ、実ができます。実は落ちてその場で発芽したり、鳥が食べて遠くに飛んで行った先でフンの中に混ざって地面に落ちて、そこで発芽したりします。

では、ソメイヨシノの場合はどうでしょうか?

以前は、実がつかないと言われていましたが、色々な種類の桜の木が近くに植えてある所なら、風に乗って桜の花が散る桜吹雪を楽しんだ後によく見てみると、ちゃんと実がなっている事を確認できます。

ですが、害虫や病気に弱く、なかなか実が大きな木まで成長するのは、困難と言われています。

ではどうやって増えるのか?

ずばり、人の手による「挿し木」「接ぎ木」によるものです。ソメイヨシノは、「コマツオトメ」と「オオシマサクラ」の交配種として産まれたことがDNA鑑定により確認されています。最初のソメイヨシノが、自然に落ちて出来たのか、人の手によって受粉させられたのかは不明のようですが、江戸時代には売買されていたそうです。

というわけで、接ぎ木をすると同じ遺伝子になるため、‘“ソメイヨシノは全て同じDNAを持つ”と言われていたのですが、全てではないですね。

それにしても、江戸時代の職人さんたちが、一本一本接ぎ木や挿し木で増やしていったソメイヨシノ。そう考えて桜を眺めると、何か違った風情を感じてしまいます。

あと数日、満開の桜と桜吹雪を楽しみたいと思います。

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